第51代部会長 清永 東誉

【スローガン】
~ 水産業が日本を元気にする! ~

【所信】
 我が国日本の気候は四季を持ちあわせ、うつろう彩りの原風景は命の芽生えや終わりを儚くとも映し出している私たち日本人のこころそのものであります。魚河岸では入荷してくる魚で四季を感じ、「走り・旬・名残」と素材の状態を見極め、食べ方までも工夫する文化や風土を持ち合わせております。そうした光景が当たり前で育ってきましたが、日本人が魚を食卓で食べだしたのは50年前の昭和30年代からと言われています。先輩諸兄が50年前に水産部会を設立した時期から日本人の魚類消費が格段に増し、国民の生活水準と共に水産業の発展が目まぐるしい成長を遂げました。日本の水産業の中心として連綿と歴史を重ね、昨年は水産部会50周年式典を盛大に行えましたのも、先輩諸兄が今日まで水産業に貢献していただいた功績であり、こころより感謝申し上げます。

さて、我が国日本は6852島からなる島国であります。国土そのものは大きくありませんが、排他的経済水域(EEZ)を見ますと、世界第6位の広さを誇り、海洋生物資源や海底鉱物資源に恵まれた海洋国家と言えます。そうした恩恵を受けることが出来ますのも、離島の存在を忘れてはなりません。国策として離島振興を行っておりますが、水産業に関しては手厚くないため漁業従事者が減少し、他国の漁船が漁場に現れる事例が増えてきています。こうした問題を知ることから始め、国民に伝えることで日本の水産業の根底を担保できると考えています。私たち現役メンバーが能動的ネットワーカーとなって、水産業の未来を紡いでいきます。

また、昨年の壱岐のマグロ漁師の講演にありましたように、「水産資源は有限でありその保全を優先とし、養殖に頼らない水産のあり方を設計していくことで、魚と上手に付き合うことができる。」など、水産業を様々な角度から見定めていく必要があります。水産業のグランドデザインを考え、自分たちの目や舌で「魚米(うまい)」といえるものを大切にしていきます。

台湾・香港フードショーに代表されるように、海外で日本の水産品をアピールしていく必要があります。日本の製品は魚の処理を得意とし、きれいで豊かな流水に恵まれ、また製品によっては塩蔵という知恵と工夫を凝らしたモノづくりが行われています。あらゆるビジネス機会を創造し、水産製品の発信を積極的に行うことで、海外の方々との信頼や友情を育んでいきます。

2014年から2018年のJCI中長期として、「JCIは持続可能なインパクトを創り出すために、社会の全てのプレイヤーを結束させる、中心的な役割を担う団体となる」と組織としての方針が示されました。私たちは他団体と手を組み、そのリーダーとして機能させる時代になりました。食に関係する各種団体や生産者との連携をし、新しい価値をもったアクションを行っていきます。

50年前に先輩諸兄が「日本の水産業の将来を自分たちの手で拓いて行こう」と気高き志によって始めた精神を大切にし、51年目も確かな水産業の未来を切り拓いていきます。2016年度水産部会の約50名の仲間とともに大海原へと旅にでます。この元気のない日本を水産業から変えていこう。元気のある国づくりは水産業から。
 どうぞ一年間よろしくお願いします。