第50代部会長 長井 雅開

【所 信】
 2006年水産部会に入会させていただき、10年の月日が流れました。その間、伝統、水産業への思いなど多くのことを学び育てていただきました。そして2015年、歴史ある水産部会の50周年を迎えますが、その大切な年に部会長を拝命し、その大役を担わせていただきますこと感謝するとともに、その重責に身の引き締まる思いでおります。諸先輩方が築き上げた長い歴史と伝統、その熱き思いを受け継ぎ、記憶に残る年にしていきたいと思います。 どうぞ1年間よろしくお願いいたします。

 水産業界は近年、生産額の低下、資源状況の悪化、燃料の高騰、就業者数の減少・高齢化など厳しい状況であると言われております。しかしながら、ユネスコ(国連教育科学文化機関)は2013年12月4日、アゼルバイジャンで開いた第8回政府間委員会で、「和食」の食文化が自然を尊重する日本人の心を表現したものであり、伝統的な社会慣習として世代を越えて受け継がれていると評価し、世界無形文化遺産に登録されることがきまりました。これをきっかけに、「食」について様々な観点で見直される機会となり、今まで以上に世界より関心が注がれることになります。そしてその和食分化に大きく関わるのが水産業であり、日本の魚食文化は改めて世界に注目されていくことでしょう。また、欧米やアジア諸国におきましても、これまでの肉食を見直し、より健康的で機能的な魚食に対しての注目度が高まっており、世界に誇れる日本の食文化はチャンスを迎えているのではないでしょうか。

 私は日頃、食品会社が加盟する協同組合の運営に携わっておりますが、組合員企業との交流より日本の食品業界には徹底された鮮度管理、衛生管理、冷凍設備など世界に誇れる技術は沢山あると感じております。また業務の関係上、中国、東南アジアを頻繁に訪れますが、各国日本商品への憧れが強い上、食料品においての鮮度、品質に対する評価は非常に高く、戦後日本の先輩方が築き上げた信用について誇らしく思えることが多々あります。ならばTPP加盟やEPA,FTA締結は、日本の水産業界にとってマイナスなのでしょうか。多くのプラス要素も秘めており、関税のかからない高品質な日本の商品を人口が増え続ける無限の可能性を秘めた国や地域に送り届けることのできるまたとない機会であると私は考えます。

では我々水産部会はどうあるべきなのか?

来年は台北でのブース出展を通じた活動より日本の魚文化を発信すると共に、我々は世界の若きリーダーとして日本水産業界におけるに優れた文化にて日本人は凄い!日本食は凄い!日本の魚は美味しい!と1人でも多くの方にそう思っていただけるよう様々な機会を通じて世界、全国へ情報発信を行なっていきたいと考えます。また海外で成功をおさめた業界の見識者を招いた勉強会等も開催し、水産部会メンバーが成長し、飛躍できる豊かな社会人育成にも取り組んで行くつもりであります。

50周年を迎えるにあたり水産部会は和を重んじ、現役とシニアによる英知の集結、水産業界の発展を胸に推し進めて行きます。会員拡大は元より、50周年を迎えるにあたり、シニア会の諸先輩方に積極的なご参加をしていただくとともに、いままで以上のご理解とご協力を頂戴したいと考えます。微力ではございますが伝統ある水産部会の名に恥じない様、一年間精一杯頑張ってまいりますので、部会員並びにOBの皆様におかれましては、ご指導、ご協力を深くお願い申し上げます。