第7話 林業・農業・水産業の三者会談

今、ウクライナとロシアの戦争によって、水産物の多くは価格が上昇しましたが、林業ではウッドショックが起き、農業では化学肥料が枯渇寸前の危機にあります。
これは今までの価値観がリセットされるレベルの異常事態で、現実に私達の日常生活にすら影響が出ております。しかし同時に大きなチャンスでもあります。

今、農林水産業は海外輸出において最も大きな伸びしろがあり、政府は2030年までに輸出額を5兆円に到達させる事を目標にしています。一方で、農林水産業全てにおいて後継者問題を始め、共通の深刻な問題を抱え衰退が進んでいる事も事実です。

そこで私達と同じ日本青年会議所水産部会業種別部会である木材部会長と米穀部会長とオンライン三者会談を開き、農林水産業が相互活性化するために課題と対策の共有を行いました。

水産業でいえば山林・田園の放棄地拡大によって大地からの栄養分が沿岸域に来なくなり、海が痩せて海藻が育たず、魚が集まらなくなりました。それ故に漁師が木を植えたり、林業に転職するような事が全国各地で起きましたが、林業や農業がかつてのように活発にさえなれば、漁師は海に専念する事ができるのです。

何故今、所有者不明の山林が増えているのか、化学肥料や農薬に頼らない有機農法への転換が進みづらいのか、まずは我々水産業者も問題を知ることから始めました。そして逆に海がどれだけ山林や、水生生物のゆりかごと言われる田園からの栄養を頼りにしているかを知って頂き、三者がお互いを高め合える環境作りの必要性を認識する事ができました。

今回三者で話し合った内容は農林水産大臣への提言に盛り込ませて頂きましたが、これからも農林水産業三者の連携は強めていきたいと思います。