第8話 農林水産大臣に表敬訪問してきました!

日本青年会議所水産部会として、この度農林水産大臣を表敬訪問、8つの提言を提出させて頂きました。
水産部会なので国内水産業の未来のための要望ですが、一部の内容に先日の木材部会長、米穀部会長との三者会談によって挙がった課題・提案を盛り込ませて頂きました。

水産経済新聞様にみなと新聞様、アクアカルチャー様、日本養殖新聞様といった水産業界誌の他、部会長の出身県である静岡新聞も取材にお越しくださり、多くのメディアから注目が集まりました。

そこで直接大臣にお話しさせて頂いた「豊かな海を蘇らせるモデルケース作りのために、農林水産業の連帯特区を設定すべき」、そして書面にて提出させて頂いた「一次産業についての幼少教育を充実させ、価値をベースアップさせるべき」の2点になります。

沿岸域を豊かな海に戻すためには、林業・農業の隆盛が欠かせません。主に一次産業に位置する農林水産業は下に見られがちで、値上げが許されない風潮が強く薄給です。それ故、若者から敬遠される職業として、水産業だけでなく、農業・林業もまた 後継者不足に苦しんでおります。

山林や田園地帯を守る林業や農業が活性化していけば、大地が蘇り、栄養ある海を取り戻す事ができます。 崩壊危機が迫る所有者不明の人工山林に対し、それを叶えるためには所有者の特定はもちろんの事、世代交代後の認知・通知作業の徹底と、複雑な資産売買制度の簡略化が必須事項 です。それでも上手くいかない場合には他者が介入して手入れができる特例措置作りが急務です。

耕作放棄地対策としては人件費削減ができるよう行政に先導して頂き、飛び地の農地を集積化して大規模化させる区画整理が必要です。また現代の主流である低コスト大量生産の 経営戦略よる農薬・化学肥料の多用を防ぐ対策としては、有機農業や環境保全型農業を促進 すべく一反当たりに補助を出す制度を作るべきです。
特に水源近辺の放置された山林が崩壊すれば、その水で営む田園地帯も甚大な被害を受け、 山からも田園からも栄養が届かなくなり、自ずと水圏生態系にも悪影響が及びます。 まずは林業・農地の改革が海洋の水質改善に好循環をもたらす事例を作るべきです。そこで 山・農地・海が近距離に密集するエリアを選定し、既に実施されている農業のみならず、林業や水産業の三者が連帯した国家戦略特区を創設、有望な人材・企業を誘致されてはいかがでしょうか。

という内容です。

これに合わせて、一次産業がこれから伸びていくために農林水産物の価値の見直しと、教育機関や旅行・エンターテイメント業界等とのコミットを斡旋し、幼少時代からの農林水産業に対する体験教育を増やして頂く事をお願いさせて頂きました。

特に体験教育においては、高校まで行けばやっと進路選択のテーブルに農林水産それぞれの専門学校が並ばれますが、 それでは時すでに遅く、とりわけ林業高校には林業科に進んでも林業を志す生徒が僅かです。日本三大人工美林を持つ名産地であっても林家は地元の林業高校ではなく、都会の林業 に興味を持つ少数の若者に、オファーを出しているような状況なのです。それほど現在の農 林水産業と若者の距離は縁遠いのが現実です。

もっと国にも国民にも、農林水産業者が流す汗を一から見直し、寄り添って頂きたく存じます。 そのためにもまずは国民の皆様には幼少の頃から農林水産業に慣れ親しんで頂き、政府は もっと儲かる魅力的な産業になるようにサポートすべきであり、一次生産者の想いや魅力を知って頂くためのPR費を捻出すべきなのです。