第5話 田圃は水生生物のゆりかご

田圃には水生昆虫や魚の産卵場として大切な機能があるばかりか、例えばニホンウナギのような絶滅危惧種にとっても貴重な生息域として機能しています。
実際に稲田養殖といって、昭和後期から続く長野県佐久地域の食用ブナ等、水田を活用した養殖方法があるくらい、水田からもたらされる栄養は魚にとって欠かせません。

しかし昔に比べて現在の田んぼはコスト削減しなければやり繰りが難しく、多くの地域が化学肥料・農薬に頼らざるを得ない環境下にあります。
農薬を過度に使えば魚の餌となる水生昆虫が姿を消し、化学肥料にばかり頼れば土地は痩せ、そこから川へ流れ出る栄養はどんどん失っていきます。
極めつけには後継者不足も顕著になり耕作放棄地すら目立ってきました。

これでは海が豊かになれないのは当然です。
美味しいお米を食べる事は、手塩にかけて稲を育てる農家を応援するだけでなく、海や魚を守る事に繋がります。
特に有機農法や環境保全型農業を実践して作られているお米には是非もっと評価してあげて貰えたら幸いです。

美味しいご飯は魚を救うのですから!